今日は海の日であり、海に感謝する日だそうです。
国民の祝日に関する法律(祝日法)では「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」ことを趣旨としている。国土交通省の文書の記述などによると「世界の国々の中で『海の日』を国民の祝日としている国は唯一日本だけ」という。
そこで海の良さを感じるため、まず海に関する動画を集めてみました。
こうして歌を聞いたり映像を観ると、日本文化にとっての海がどういう物か、思い出します。
21世紀の世界にとって、『生命の循環の一部』として海の大切さが、クローズアップされていくように思います。
4-2 自然環境を維持するための自然の循環
環境経済学は,地球環境と社会の関係を論ずるのであるから,地球環境の熱物理学も視野にいれる必要がある。熱物理学で考えれば,図11で示すように,地球環境もエンジンである。
図11 地球エンジン
太陽光を地表で常温(15℃)で入力し,対流圏上空から宇宙へ低温(−23℃)で放熱して回る自然の循環がある(槌田,1992,pp126-140,TSUCHIDA,1999)。
ここで自然の循環とは,大気と水と栄養を作業物質とする物質循環である。これにより,環境は毎年復元し,また同じことを繰り返すことで,維持されてきた。
①大気の循環
大気が,地表で太陽熱を常温で得て上昇気流(低気圧)となり,上空で宇宙に低温で放熱して下降気流(高気圧)となる。この途中で風が吹く。これにより地球の熱エントロピーは宇宙に処分される。
②水の循環
水が,地表で太陽熱を得て蒸発し,大気の流れに乗って上昇し,大気の減圧で冷却されて雲となり,雨となって地表に戻る。雲となるとき熱を大気にわたす。大気循環はこの熱も宇宙に放熱する。水循環は熱エントロピーを地表から大気上空へ運ぶことで大気循環を補完している。
③栄養の循環
栄養の地域循環。土に存在する栄養(肥料分)は,植物に吸収されて光合成され, これを動物が食べる。植物や動物の死骸は微生物に分解されて栄養は土に戻る。その土からふたたび植物が育つ。この物質循環は地球上の物エントロピーを熱エントロピーに変換する重要な機構である。
栄養の広域循環。栄養は水に溶け,重力で流れ落ちて,海の生物となり,魚などに食べられて,糞となる,糞は海水よりも重いので深海に沈む。しかし,深海水の湧昇でふたたび海面に現れ,海洋生態系となり,動物がこれを引き上げて陸上生態系が成立する。この栄養はふたたび水に溶けて流出し,海に戻る。
図12 栄養の広域循環
槌田「エコロジー神話の功罪」p143より
図12に,栄養の広域循環を示す。自然は,重カにより栄養を下方に運ぶが,魚や鳥や虫,そして人間などの動物が,栄養を上方へ運ぶことで循環となる。
4-3 環境破壊とは何か
環境破壊とは,これらの自然の循環を破壊・劣化させることである(槌田,1999a)。文明活動は大気を汚した。その結果,太陽光は汚れた大気に吸収され,地表に届くべき太陽光を減らし,大気の循環を劣化させた。これは都市気象として知られているが,地球規模では,焼畑の煙が熱帯を覆い,熱帯の大気循環を壊している。これが異常気象のひとつの原因と考えられる。
また,この文明は,森林の伐採,小麦などの乾燥農地,都市,道路そして砂漠化により水の蒸発を失わせ,降雨量を減らして,水環境を壊している。
すでに述べたように,先進農業国は穀物を過剰に生産し,これを輸出して失業を輸出し,また自由貿易で富を収奪し,発展途上国の農業を破壊した。そのうえ,巨額の借金をさせて途上国の資金を奪い,その結果,森林は焼き払われ,農地は放棄され,栄養循環を失って砂漠化した。
これらの環境破壊の内,栄養の循環を壊したことがもっとも大きい環境破壊である。
大気、水、栄養が地球上で循環するから、生命が成り立つ。そのうち栄養は重力で雨に流されて海にたまりやすい。海にたまった栄養を地上の高い所に運ぶのが、人間などの動物の役目である。具体的に言えば、魚や海藻などを人間が海から採り、地上に撒くことで植物が育ちやすくなる。
「人間が居なくなった方が、地球は上手くいく」という人もいますが、この理論によれば、そんなことは無いのです。「人類の力で海の栄養を地上に循環させる」事に、地球生命システムの視点で見た、人類の存在意義があります。つまり、海には人類の未来がかかっているのです。
皆様は、海に感謝できたでしょうか?
松浦彰夫 拝












コメントする