関川さんのごきげんいかがでPodcastの放送を行い、「就職活動としての奇兵隊」というお話をさせていただきました。
日本における市民革命といえる奇兵隊ですが、奇兵隊隊士にとってはより良い仕事につくための就職活動でした。
現在の状況
安倍晋三首相が2014年内に衆議院を解散して総選挙に踏み切るというニュースがあります。なぜ、解散総選挙するのでしょうか。今年の4月に消費税を8%に増税しましたが、消費が落ち込み、景気が悪化しています。それにも関わらず、来年の10月に消費税を10%に増税することが、自民党、民主党、公明党の三党合意で決まっています。ただし、10%への消費増税には景気弾力条項があり、景気が悪い場合は延期することになっています。
もし仮に、アベノミクスが成功し、現在の景気が良いとして、消費税を増税したら、今後ますます消費が落ち込み、景気が悪くなります。つまり自民党は失敗します。では、景気が悪いとして、消費税を増税しなかったら、アベノミクスが失敗したということになりますので、どちらにしても自民党が失敗したことになります。これでは、2年後の総選挙に自民党は負けます。しかし、今、総選挙をすれば、アベノミクスが成功したのか、失敗したのかの判断を、国民に丸投げすることができるわけです。
選挙の結果、どの政党が勝てば、景気が良くなるのでしょうか?また消費税はどうなるのでしょうか?
自民党は消費税の増税を一年間延期する予定ですが、民主党は予定通りに消費税を10%に増税する予定ですので、民主党を選べば景気が落ち込みます。しかし、自民党が選挙で勝てばアベノミクスが成功して、景気は良くなっていると国民が判断したことになりますので、やはり増税されます。結局、自民党を選んでも、民主党を選んでも、増税になり、ますます景気が落ち込みます。
選ぶ政治家がいないとすると、どうすれば良いのでしょうか?
自分で政治家になるか、政治家になる人を応援するという方法があります。現在は大きな時代の変換点ということで、幕末の状況に良く似ています。当時の身分制度では、農家の跡継ぎは長男と決まっていましたので、長男が社長とすると、次男三男はバイトであり、田畑をもらえず、結婚もできませんでした。ですから高杉晋作が奇兵隊を募集した時に、メンバーとして集まってきたのは、現代でいうヤンキーのような農家の次男三男でした。
地元の政治家である高杉晋作のために戦った奇兵隊は、明治維新によって廃止されますが、軍人や警察官となる者もありました。無事に就職に成功し、貧乏から脱出したわけです。この当時の奇兵隊にあたるものが、現在では政治活動です。幕末の高杉晋作のような政治家を応援して、選挙に勝てば、運転手や秘書として雇ってもらえる可能性がありますので、就職に有利なのです。
今の時代で一発逆転を狙うなら、政治活動に参加した方が良いということですね?
はい、ただし政治活動をするなら、付いていく政治家を選ぶ必要があります。幕末には奇兵隊の他にも農家出身のヤンキー集団として、多摩地域出身の新撰組があります。多摩は幕府の直轄地でしたので、新撰組は幕府を守る為に戦いました。奇兵隊と新撰組は戦うことになり、高杉晋作の奇兵隊が勝利しました。近藤勇、土方歳三のように、負けた新撰組隊士は命を落とすことになります。
なぜ、奇兵隊は新撰組に勝てたのでしょうか?
まず、武器が違いました。新撰組は、刀で戦いましたが、奇兵隊は、最新式の射程距離が長い銃を輸入し、新しい武器にあった戦術を訓練していました。また、長州藩は、イギリスなどの外国とも戦っていたため、新しい武器の強さを知り、それを取り入れる柔軟さがありました。その結果、近代的な装備を整えているヤンキー集団になれました。そして指揮官が、海外渡航経験のある高杉晋作でしたので、彼の指導により時代の波にも乗る事ができました。
長州藩には高杉晋作のような立派な人がいましたが、そのような人が居ない地域では、どうすればいいのでしょうか?
幕末の日本は、閉ざされた情報の下、生まれた土地で戦うことしかできませんでしたが、今の時代は情報も、移動の自由もあります。自分の出身地に良い政治家がいなくても、他の地域に良い政治家がいれば、寄付をするなり、政治団体に参加して政治活動を行う事ができます。今は時代の変革期です。もし貴方が、未来に不安を感じ、今の暮らしを変えたいと思っているなら、今がチャンスです。
松浦彰夫 拝