流水成道blog: よくわかる水素文明アーカイブ

よくわかる水素文明のブログ記事 1 / 1

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 世の中を良くするためには、善いものを増やして、害のあるものを取り除かないといけない。これを仏教理論では慈悲と呼びます。

慈悲(じひ、パーリ語mettā、サンスクリット語maitrii, karuNaa、मैत्री करुणा)

楽をあたえることを「慈」といい、苦を抜くことを「悲」というといわれる。これを抜苦与楽(ばっくよらく)という。また仏・菩薩の無辺の慈悲心を大悲という。

サンスクリット語の「マイトリー(maitrii)」は、「ミトラ」(mitra、मित्र)から造られた抽象名詞で、本来は「友情」「同志」の意味である。しかも、ある特定の人に対し友情をもつのではなく、あらゆる人々に平等に友情をもち、友誼を示すことをいう。したがって慈とは、このようないっさいの人々に対する平等の友情をいう。

次に、サンスクリット語の「カルナ(karuNaa)」は「優しい」「哀れむべき」というのであるが、その原意は「呻き」(うめき)にあるという。「悲」とは、まず人生の苦に対する人間の呻きを意味する。その呻きがなぜ「悲」かというと、自らが呻く悲しい存在であることを知ることによって、ほんとうに他者の苦がわかる。そこで、はじめて他者と同感してゆく同苦の思いが生じる。その自分の中にある同苦の思いが、他の苦を癒さずにおれないという救済の思いとなって働く、それが悲であるという。

慈悲 - Wikipedia

悪い事、嫌な事があると、「他人が悪いからこんな嫌な思いをする」と考える人がいます。それも場合によっては正しいのですが、誰かが悪いからといって人を攻撃するだけでは、自分の価値が上がるというわけではありません。

自分の価値を上げる努力をしなければ、価値の低い自分のままです。自分自身の価値を上げることは教育によって可能です。

教育(きょういく、英: education、仏: éducation、独: Bildung, Erziehung)は、人がよりよく生き、またそれによって社会が維持・発展するように、人の持つ能力を引き出したり、新たに身につけさせたりする活動。

教育 - Wikipedia

勘違いしてはいけないのは、ある人が多くの資産を所有しているからといって、それだけではその人が偉いといえないことです。ただ持っているだけでは意味が無く、使いこなせてこそ力には意味がある。 例えば親から莫大な遺産を受け取ったとして、ただ持っているだけでは意味が無く、むしろ下手な使い方をすれば害になることも多い。どうすれば意味のある使い方をできるか、学ばないと使えません。結局、教育が大事だということになります。

しかし、現在の教育機関にまかせればそれでよいのかといえば、残念ながら違います。第1に、新しい世界に適合する方法を教えないという問題。第2に、生徒のための教育でなく、教師の利益のための教育になっているという問題があります。

子どもは大人の鏡と言います。大人が嘘を吐けば、子どもはそれを憶えて真似ます。左の図は産経新聞に掲載された子どもの暴力行為です。日本の学校では携帯電話のような情報機器の活用や電車を使った冒険を小学生に禁じています。実に愚かな行為です。子どもの敵は学校の変態教師です。外に出て襲われるならそれは自己責任の面があり納得もできるでしょう。しかし、実際には身を守る術無く襲われるのは校内です。報道されるのは氷山の一角に過ぎません。私は昔から強く高校時代から中型バイクに乗っていました。強い人間、強力な群れ(クラスター)を形成している人間には卑怯者や臆病者は決して襲ってきません。これは私の経験則です。そして、私は大学時代から世界を巡り、多くの事象を見てきました。日本の変態教師ではないですが、襲われるのは決まって弱い人間、女性や子どもです。故に、これから老いる大人は厳しい制裁を子どもから受けるでしょう。私は被害者ではないので報復する権利を有しません。また、これから犠牲になる子どもたちを助ける事もできません。しかし、私にできることは戦い方を教える事です。状況がここまで悪化しても何もしようとしない人間に対して連中が老いて弱った時にどうやって集団で戦い生き残るかを教えることはできます。数は決して多くは無いでしょうが自然淘汰を生き抜いた彼らは人類の黄金時代を生み出すでしょう。もし、何かを為さねばならないと感じたら2009年12月30日に東京国際展示場(橘研究所ブースin東地区 「オ」ブロック 10b)に来て下さい。此れが最後ですので世界の志士が集ります。

死者のみた夢 - 連山改

 家が虫食いになって、被害が軽い場合は補修をすれば良いですが、被害が重い場合は建て直すことになります。建て直す場合、いきなり切り倒してしまえば住む場所がなくなってしまいます。そういうときはまず空き地に家を建ててから取り壊せば、住む場所に困りません。神宮式年遷宮の方法です。

 

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 今の社会は、相当の歪みがたまっていますので、少しの補修では直りません。根本から作り直す必要があります。炭素文明が取り壊す家で、水素文明が新しい家になります。

新しい家を建てるには空き地が必要です。物質世界は行き詰まっていますが、インターネットなどの情報機器の性能は加速度的に上がっています。そこで現実の硬直した家はそのままに、インターネット上の世界(無形化世界)に主要な機能を移転しています。普段は無形化空間で学習し、必要に応じて物質世界に影響を及ぼします。このシステムが真の意味での情報革命です。

 

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現代では形のある物理的な軍事力のようなパワーが主役の座を降り,経済力をはじめとする無形化したパワーが世界を動かす主役となった。そして現代では時を経るごとにコンピューターの中の数字が一種の仮想的な現実として力を強め,物質そのものを圧倒し始めている。[無形化世界の力学と戦略]

第二次世界大戦以後の世界情勢は,東西陣営による核ミサイル軍拡競争による恐怖の均衡によって,直接的に軍事力を使用する有形の戦争は減少した。核兵器というジョーカーによる通常兵器の無力化である。これがパワーの無形化である。そして,無力化された通常兵器に取って代わるものとして,新たにパワーとして頭角を現して来たのが
(i) 国家・企業間での通貨戦争や貿易戦争などの経済戦争,
(ii) 大学・シンクタンクなど知的機関による学問領域における正統性争い・覇権争い,
(iii) TVや新聞,報道機関などメディアを通じた報道戦争・イデオロギー戦争である。
これらの争いでは,軍事力を行使しないため,「見えざる戦争=無形化世界における戦争」である。大規模戦争が勃発しなくなった昨今では,これらの無形化世界における戦争こそが重要なのであり,その可視化と定量化,そして無形化世界での戦略を構築すべきというのが長沼氏の意見である。
無形化したパワー

無形化世界におけるパワーとして,長沼氏が挙げるものは以下の三つである。
(i) 経済力
(ii) 研究機関の知的影響力
(iii) メディアの力

Nihonist Academy » 無形化世界の戦略論 (2) 無形化世界

年末年始のイベント参加は、無形化世界から物質世界に出現するという訓練でもあるのです。

 

松浦彰夫 拝

よくわかる水素文明、4回目は情報洪水とマックスウェルの悪魔。そして近自然学とタレント・プール・システムについてです。

物理学者の都筑卓司氏は1970年刊行のマックスウェルの悪魔―確率から物理学へにおいて、情報の激増による人類滅亡を予言していました。

情報の激増

自転車に乗りつけていたものがオートバイにまたがったとき、目の前にある速度メーターが珍しく感じられるものである。自転車のような道具と違って、いかにも器械だなあという感じがする。これがさらに自動車となると計器はもっと多くなる。さらに、ワイパー、チョーク、ヘッドライトなど押しボタンの数も増える。運転免許とりたての頃は、これらの計器や器械はすべてが運転者である自分の支配下にあると思うと、嬉しくなったりする。

ところが飛行機になると計器の数はかくだんに多くなる。リンドバーグの頃の飛行機ではそれほどでもなかっただろうが、複葉機から単葉機へ、さらにジェット機へと発達するにつれて、操縦席の前にある計器の数はどんどん増える。すらりと並んだたくさんの丸いメーターを前にして、ジェット機のパイロットはいったいどれを見ているのかしら、などと素人は心配になる。

結局言いたいのは、乗り物が発達するにつれて、操縦士の判断すべき材料が加速度的に増えていくということである。

新装版 マックスウェルの悪魔—確率から物理学へ (ブルーバックス) (新書) P257

 乱雑な状態を「エントロピー」、整理された状態を「反エントロピー」と呼びます。エントロピーは情報理論では「情報量」と呼びます。人口が増え、文明が発達するにしたがって、エントロピーが増え、1人の人が処理する情報量が増えるというわけです。

サラリーマンは反エントロピーを提供する

「自由エネルギー」は「全エネルギー」と「反エネルギー」の項の和である。体系は温度の低いときには全エネルギーの項が強く効くが、高温になると反エネルギーの項の方が重要視される。このことは人間の集まりである社会についてもいえそうである。

太古の昔から第二次大戦頃までは、エネルギーが問題であった。いかにして自然界から、人類に役立つエネルギーを引き出すかに人々は知恵をしぼった。風車、エンジン、電力などにより、ほぼその目的は達成された。

今日の人間はどのような性質の仕事をしているか。昔はもっこを担いだり、大八車を押したり、荷物を運んだりの力仕事をした。人に使われる場合にも、雇い主に対してエネルギーを売ったのである。ところが今は違う。社員は会社に対して反エントロピーを提供しているのである。

エネルギーを得るために人を雇ったのでは会社は大損である。力仕事は機械にまかせておけばいい。企業が大きければ大きいほど、会社は膨大なエントロピーをかかえる。販売会社なら、客と接する社員は、いかに品物を並べたら、顧客にどんな態度でどのように説明したら……等々についての判断を提供し、その見返りに月給をもらう。課長クラスになれば、販売価格をいくらにするか、仕入れはどれくらいに抑えるか、等の知識が必要になる。決まっていない事柄を、課長の頭脳によって判断していくのである。首脳部は会社の経営全般に対しての処置を検討していく。誰もが持ち場持ち場に応じて、反エントロピー増大に努めているわけである。

新装版 マックスウェルの悪魔—確率から物理学へ (ブルーバックス) (新書) P257

 情報量の少なかった昔は仕事といえば力仕事でしたが、情報量の増えた今では情報の整理が主な仕事です。マックスウェルの悪魔というのは、乱雑な物を整理してくれる生き物の名前です。

人類滅亡の予言

人間は反エントロピーを創造する生きものであることはすでに述べた。この意味では、人間とはまことにすぐれた生存物である。ことによるとマックスウェルの悪魔という神秘的な働きをする小動物が宿っているのかもしれない。

ところが、賢いはずの人間が、集団的な営みをすることになると、エントロピーは増えるばかりである。ことによると人間の賢さが、エントロピー増大にかえって拍車をかけているのかもしれない。マックスウェルの悪魔は、社会的エントロピーの増大にはまったくそっぽを向いている。

人間個人は反エントロピーの創造者であっても、これが集合して派閥、国家、民族などのグループが、ひしめき合い乱れまじるとき……反エントロピーの創造能力はその中に埋没してしまう。人口増加、産業の発達、消費欲の激増は必然であり、これを後退させることは大気中に真空部分のできるのを待つと同じほど、あてのない期待である。 

統計力学の権威である東京大学の久保亮五教授は座談会で

「人類の寿命は、あと200年から300年くらいではないかと思う」

と発言されている。2万年の間違いでははいか、と思われる読者も多いだろう。2万年でも2000年でもない。200年である(ここの箇所に限り、特に念入りに校正したから念のため……)。現在から200〜300年……逆にさかのぼって計算すれば徳川中期になる。

新装版 マックスウェルの悪魔—確率から物理学へ (ブルーバックス) (新書) P268

 200年は甘い見通しだったようです。情報機器の発達などがあり、1970年からわずか30〜40年で情報洪水症候群という病気が現れました。責任感の強い人ほど、かかりやすい病気です。

情報洪水症候群は上記のような最先端の情報を求めなくてはならない立場の人、過度に完璧に物事を成し遂げようとする人、凝り性・几帳面な人、上昇志向・出世欲が強い人などが情報過多の影響を受けやすいとされています。
完璧主義者は手に入る全ての情報に目を通そうとします。全ての情報を集めないと適切な判断ができないと感じます。また、あいまいな情報が多いので、たくさんの情報を集めないと情報の正確さがつかめないと感じます。しかし、全ての情報に目を通せるわけもなく、また、情報をたくさん集めれば集めるほど様々な視点が出てくるなどして、どれが正しいのかわからなくなってしまい、判断が出来なくなってしまうことにもなりかねません。そして、判断が出来ないのは自分の能力のなさのせいだと感じるようになってしまいます。

情報洪水症候群

問題点は1970年にマックスウェルの悪魔が提示していました。「人間個人ではエントロピーを減らしたが、集団になれば争い合いエントロピーを増やしてばかりいる」ことです。

ならば、集団でエントロピーを減らす理論を確立し、それに合う教育で、それを実行できる人を増やせば良いということです。

連山コラムニストの山脇正俊さんが、近自然学の一環としてタレント・プール・システムを提案しています。

近代のシステムは縦割りピラミッド型の官僚組織で、上から下に命令は伝わるが、下の問題意識は上に伝わらない組織です。つまり、上の欲望を下に押し付ける仕組みでした。情報は誤報も多いですが必要な情報もあります。見ざる言わざる聞かざるでは、本当の危機に、迅速柔軟に対応することができません。これでは情報洪水を乗り越えられません。

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官僚制はエントロピーを減らす事ができない古いシステムであり、エントロピーを減らす事ができる新しいシステムに切り替える必要があります。パラダイムシフトです。

タレント・プール・システムでは、人材をプールに浮かべたピンポン球のようにフリーにしておき、集合知により情報の収集、選別、錬成を行います。行動が必要となった時には、プロジェクトリーダーが最もふさわしい人材を集めて行動します。目標を達成すればフリーに戻ります。

遠隔教育の秋月と御蔵も、タレント・プール・システムになっています。日夜、テレビ会議やチャットで集合知を練っています。 集合知には、日々の努力が重要です。 

タレント・ プール・システムの集合知の真価を知りたい方は、2009年12月30日(水)東京国際展示場 コミケット77「オ」ブロック10b 橘研究所、または、2010年1月10日(日)インテックス大阪 COMIC CITY 大阪77 に参加し、その目で確かめてください。

 

松浦彰夫 拝

 よくわかる水素文明3回目は、気候変動についてです。

気候変動といえば、地球温暖化がありますね。懐疑論論争もありますが。

 

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気温が上がる事で、熱塩循環が止まって結局、寒冷化するという話もあります。縄文時代は海面が高かったですがその後下がったようです。恐竜がいたころは今より温度が高くて食料が多かったので大きい体を維持できたそうです。その頃は極地にも氷河はありませんでした。 

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23億年前と8億年〜6億年前には地球全土が凍結したり、60度まで気温が上がったこともあったようです。地球の温度は、上がったり下がったりするもののようです。

温暖化、寒冷化が起こるとして、それでどういう問題が起こるのか、変化しても問題ないように備えることが大事だと思います。海面が上がることには堤防を作るか、高い所に引っ越すかで対処できます。歴史では、今いる所に住めなくなったら移住することはよくありました。人類も、元はアフリカで発生して、移住して世界に広がったのですから、状況が変わったらまた移住することも仕方ないです。

気候変更の影響で問題が大きいのは、雨の降るパターンが変化して、乾燥化から、砂漠化することです。人類が農業を覚えてから、森を切り拓き、農地を作ったり、牧畜をしたりして、地表の植物を減らしてきました。アラビア半島やサハラ沙漠も昔は植物が多い場所で、農業をすることで、土地のミネラルを使い果たし(地味が低下し)、沙漠になったようです。

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最近では、中国で北部から乾燥化が起こり、黄河の上流が枯れることもあるようです。農業が出来なくなった人は、土地を放棄して移動することが予想されます。民族移動です。農業だけでなく工業でも水が必要ですので、それで使用量が増えた事もあると思います。

オーストラリアなどでも地下水を使いすぎて、乾燥化し、砂が舞い上がって凄い景色になっているようです。

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気候変動とは少し違いますが、太陽活動は約11年周期で変動して黒点が減ったり増えたりしてます。 黒点が多い時には磁気嵐が発生します。また、地磁気の南北が逆転することがあり、1000年くらいかけて地磁気が一度無くなってから、逆転して増えて元に戻ることがあるようです。

 

 

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現在の観測から地磁気は段々減っていることが分かっています。このまま地磁気が減っていき、太陽活動が活発になると、磁気嵐を地磁気で防げなくなり、電子機器の故障が増えることになります。特に発電所にある高圧の変電機は磁気嵐の影響を受けやすいので、発電所で事故が起こりやすくなります。特に原子力発電所で事故が起こると、暴走して爆発し、放射性物質を撒き散らし、その土地に数百年から数万年は住めなくなります。ウランよりプルトニウムの方が半減期が長いので、より住めない時間が長くなります。今度日本で始まることになっているプルサーマル発電は、プルトニウムを使う原発ですから、より危険です。

対策は、問題点を全部書いてから、また書きます。解決しようとして、別の問題を拡大することがありますから、問題点を全部列挙してから対策を考えないといけません。

 

松浦彰夫 拝

 【よくわかる水素文明】2回目は、石油枯渇(石油減耗)についてです。

2004年に石油の生産量は最大値をむかえました。(石油ピークピークオイル)以後は産出量は減少していきます。石油は採りやすい所から採っていますから、残っている油田は採りにくい、投入エネルギーを多く必要とする油田になります。採りやすい油田は中東にありますから、中東の争奪戦が起こり、供給は不安定になります。

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石油減耗により石油が高騰します。

化学肥料も石油が原料なので高騰しますし、農業機械も石油で動いていますから、採算が取れない農園は放棄され、食料生産が減少します。

また、アメリカは石油の大量消費を前提とした自動車社会なので、石油が高騰すれば郊外の土地で暮らせなくなり、住宅の値段が暴落しました。サブプライム危機です。アメリカは世界から借金をして輸入をしていましたが、輸入する余裕もなくなります。金融崩壊、ドルの非基軸通貨化、帝国循環の崩壊です。日本の輸出産業は、販売代金をドルで持っているため、ドルが暴落すれば資産が消滅しますし、円に替えようとしても円高になり輸出が出来なくなります。

対策については、また別の回に解説します。

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地球、自然などと言った本質的なことは市場、技術などでは解決しないのである。現代人の慢心、傲慢さと言っても良いのではないか。同様に有限地球の石油資源がいずれ減耗することは自明なのである。断っておくがこれはいわゆる「枯渇」のことではない。寿命が後40余年と言う話でもない。資源についての誤解はまだある。
資源の「質」を考えず「量」だけなのである。そのためであろう、石油が減っても重質油がある、量は膨大と言った楽観論が幅を利かすことになる。また繰り返される話として、海は資源の宝庫、海水にはウランが無限にあるなどだが、これは間違っている。海水に拡散したウランを濃縮するに膨大なエネルギーが要るからである。そこで石油の価格が上がればとなるが、このようなマネーコストでの考えは、近づけば遠のく蜃気楼のようなものである。
このような永久機関論に終止符をうったのが、熱力学の第二法則である。エントロピー則とも言われ、自然現象では常にエントロピーが増大するという原理である。エントロピー増大の流れとは、拡散、平均化、質の劣化の流れであり、これを逆にするには必ずエネルギーが要るのである。資源とは濃縮された物質、すなわち低エントロピー物質なのだが、日本で余り理解されない。今更ながらエントロピー論が必要のようである。

本論に戻ろう。石油は自然が濃縮した優れた資源、しかも常温で流体である。人類はこの石油の究極埋蔵量とされる2兆バーレルの半分を、殆ど20世紀の後半で使ったようである。まだ半分あると思ってはならない、人間は取りやすい質の良いものから採ったからである。残り半分は条件はかなり悪い質も落ちている。今では中東ですら、それほど供給余力はなくなったが、それでも最後の頼りは中東なのである。

 

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ところでこの中東は地球史の上で特別のところである。億年単位の大陸移動が関係する。今から2億年程前、テチス海、古地中海とも呼ばれる内海が出来た。そこに沈殿した膨大な有機物が石油になったのである。当時、地球は二酸化炭素が今より一桁も多く温暖で、光合成が旺盛であったからである。しかもこの内海は攪拌されず酸欠状態であったことも石油の熟成に幸いした。このように地球史的に考えると第二、第三の中東は無くて当然なのである。しかしその中東油田も発見いらい数十年、年を取ったのである。従ってもう余り余力はないが、日本はこの中東に90%を依存する国である。今後エネルギー問題を真剣に考えるときに来ている。

更に、多くの人は気がついておられないが、石油は現代農業を支えているのである。従って石油減耗は日本の食、自給率40%の脆弱な食の安全を危うくする。そして石油は合成化学工業の貴重な原料でもある。このように、石油は現代文明の「生き血」なのである。

(中略)

前にエネルギーにおいて質がすべてと述べたが、その質は「出力/入力エネルギー比」で考えるのが分かりやすく、しかも科学的である。その代表的な指標にEPR: Energy Profit Ratioがある。

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図6 各種のエネルギー源のEPRと運輸(BJ Fleay、Murdoch University, Western Australia1998)

図6は石油減耗の影響を真っ先に受ける分野、運輸を念頭にしたEPR比較である。巨大油田はEPR60と高いが、オイルピーク時の1970年頃、アメリカでのEPRはまだ20であったが、生産と共に低下し1985年には10を下回っている。最近ではEPRは3程度になったそうである。
原子力発電のEPRは、この図で見る限り極めて低いが、一方原子力関係者は50という数字を上げている。この一桁の違いを分析することはが、今後極めて重要となろう。 

実質的に[石油ピーク]を認めたIEA:20世紀型文明の行方:石井 吉徳

 

松浦彰夫 拝

【よくわかる水素文明】を始めます。これは、私が連山から秋月と御蔵に入って、水素文明について学んできた事をまとめていくシリーズです。いろんなことを学んできたため忘れていることがあり、思い出して情報を使いやすいように整理するのが目的です。

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まず押えておかないといけないのは、世界的な3つの危機の根本原因があることです。気候変動、石油枯渇、情報洪水の3つです。そして、そこから様々な問題が派生し、その対策として水素文明が考えだされました。

具体的にどういうことなのか、それぞれの部分について、次回から解説していきます。

 

 

松浦彰夫 拝

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